日本での生活が長くなると、「この国で永住したい」「日本人になりたい」と感じることがあるでしょう。しかし、帰化手続きは思っていた以上に時間がかかることも多く、そのプロセスを知っておくと安心して進められます。この記事では、私が実際に経験している帰化のプロセスを時系列に沿って詳しく紹介します。帰化手続きの基本情報や各段階でのポイントをお伝えし、同じ目標に向かっている方にとって少しでも参考になる情報を提供します。
目次
- 1 帰化の基本条件と目安期間
- 2 私の帰化プロセスの実際
- 2.1 2023年3月 - 法務局に帰化相談開始
- 2.2 2023年4月〜5月 - 提出書類の作成・取り寄せ
- 2.3 2023年6月20日 - 法務局へ帰化申請
- 2.4 2023年12月 - 転職に伴い、法務局に追加書類を提出
- 2.5 2024年4月5日 - 法務局から国籍離脱の依頼
- 2.6 2024年4月14日 - 台湾に国籍離脱の申請を提出
- 2.7 2024年7月7日 - 台湾から国籍喪失許可証を取得
- 2.8 2024年7月10日 - 国籍喪失許可証を法務局に提出
- 2.9 2024年8月29日 - 法務局から出国予定の有無について確認
- 2.10 2024年9月 - 帰化完了(官報告示)
- 2.11 2024年9月下旬 - 法務局で完了後の手続き確認
- 3 記事のまとめ
帰化の基本条件と目安期間
日本での帰化を目指す場合、まず法務局での相談がスタート地点です。その後、いくつかの審査をクリアする必要があります。主な条件には、日本に5年以上継続して住んでいること、安定した収入があり経済的に自立していること、そして法律を守っていることが含まれます。また、日本は多重国籍を認めていないため、帰化するには母国の国籍を離脱する必要があります。
帰化手続きの目安期間は1年から1年半程度とされます。私の場合は2024年9月に帰化が完了しました(官報で確認)。各個人の状況に応じて必要な書類やプロセスは異なるため、しっかりと準備しておくことが大切です。
私の帰化プロセスの実際
日本で5年が経過し、ようやく帰化に挑戦する時が来ました。高校3年生の頃にアニメを通じて抱いた日本生活への憧れは、18歳からの夢として現実に向かっています。特に「アニメの世界で見た日本の風景」「日本の文化に触れる生活」を夢見ていた私は、その夢を叶えるために日本での生活を選びました。以下に、私の帰化プロセスを時系列で詳しくお伝えします。
2023年3月 - 法務局に帰化相談開始
まずは法務局での相談から始めました。この段階で今後の手続きの流れや必要な書類について説明を受けますが、全ての書類を一度に教えてもらえるわけではありません。理由は、個人の状況に応じて必要な書類が異なるためです。相談を通じて、帰化申請がどのようなプロセスかを理解し、しっかり準備を進めることが大切だと感じました。
2023年4月〜5月 - 提出書類の作成・取り寄せ
法務局への提出書類を準備する段階では、様々な書類の取り寄せや作成が必要でした。特に印象的だったのは、母国からの戸籍謄本の取り寄せとその翻訳です。家族に協力をお願いし、日本に送ってもらう手配をしました。また、家族の意向調査も必要で、家族に同意/不同意を記入してもらう書類を準備しました。家族の協力を得ることで、よりスムーズに手続きを進めることができました。
2023年6月20日 - 法務局へ帰化申請
全ての書類が揃い、法務局に帰化申請を行いました。この時点で、帰化プロセスの重要な一歩を踏み出したと感じました。申請後は法務局からの連絡を待つことになりますが、この待ち時間も大切なプロセスの一部です。焦らずに連絡を待ちながら、次のステップに進む準備が整うのを楽しみにしています。
2023年12月 - 転職に伴い、法務局に追加書類を提出
11月に転職をしましたが、法務局にその報告を行い、12月に追加書類の提出を求められました。転職や引っ越しなどの大きな生活の変化があった場合は、必ず法務局に連絡し、必要な書類を追加で提出する必要があります。このような変化が帰化プロセスに影響を与えることもありますが、新しい環境でのスタートを前向きに捉えながら、必要な準備を進めてきました。
2024年4月5日 - 法務局から国籍離脱の依頼
2024年4月には、法務局から国籍離脱の依頼がありました。日本は多重国籍を認めていないため、帰化する際には母国の国籍を離脱する必要があります。国ごとにプロセスは異なりますが、私の場合は台湾の国籍を先に離脱することが求められました。この手続きを経て、日本への帰化に一歩近づいた実感があります。
2024年4月14日 - 台湾に国籍離脱の申請を提出
台湾大使館にパスポートと身分証を提出する必要があり、この間、日本から出国できない状況になりました。旅行や帰省などの計画が制限されますが、プロセスの一環として受け入れました。申請が完了するまでは少し時間がかかりましたが、一つひとつの手続きを確実に進めることが大切だと感じています。
2024年7月7日 - 台湾から国籍喪失許可証を取得
国籍喪失許可証は郵送で受け取りましたが、大使館に直接取りに行く方法もあります。郵送での取得には少し費用がかかりましたが、自宅で手続きが完了できるため非常に便利でした。許可証を手にした時は、プロセスが着実に進んでいることを実感し、無国籍状態となった自分に少し感慨深いものを感じました。
2024年7月10日 - 国籍喪失許可証を法務局に提出
無国籍となり、正式に国籍喪失許可証を法務局に提出しました。この提出をもって、帰化の最終段階に入ったと感じています。この後、2024年9月に帰化が完了しました。
2024年8月29日 - 法務局から出国予定の有無について確認
法務局から出国予定があるかどうかの確認がありました。この確認が入ると、帰化手続きがいよいよ終盤に差し掛かっていることを実感します。この確認後、9月に官報告示と法務局からの完了連絡がありました。
2024年9月 - 帰化完了(官報告示)
官報で氏名の掲載を確認。約1年半のプロセスが完了しました。 その2日後、法務局から帰化完了の連絡を受けました。
2024年9月下旬 - 法務局で完了後の手続き確認
帰化届は官報告示日から1か月以内に本籍地または所在地の市区町村へ提出します。在留カードは14日以内に入管へ返納します。「帰化者の身分証明書」はこの日に法務局で受領し、市区町村へ提出するため原本が必要です。提出前に複数コピーを確保しておくと、銀行や運転免許などの名義変更で旧国籍・旧氏名の確認が必要な場面に役立ちます。
記事のまとめ
(所要期間の目安:申請から約15か月/相談開始から約18か月)
帰化手続きは、一つひとつのステップをしっかりとクリアしていくことで、確実に前に進んでいけます。私は2024年9月に官報で帰化が告示され、約1年半で完了しました。完了後は、帰化届(1か月以内)と在留カード返納(14日以内)を最優先で対応し、あわせて名義変更を計画的に進めるとスムーズです。この記事が、同じように帰化を目指している方々にとって、実務の見通しとつまずき回避の助けになれば嬉しいです。